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2014年 11月 04日
片頭痛の日・・・といっても記念日ではない。
季節に何度か、そう呼びたい日がある。 (あれ?M子ちゃん、ついこないだ鎮痛剤だしたばかりなのに・・・。)今日は、もう、これで5人目だ。はやりの風邪でもあるまいし、朝から、片頭痛の薬を希望する人が後をたたない。でも、M子ちゃんは、鎮痛剤飲み過ぎ。これは、一言いわなくちゃ。・・『うーん』私は重いため息をついて、M子ちゃんの名を呼んだ。 M子ちゃんは、中学生の時から、片頭痛で苦しんでいる21才の医大生だ。普段はテニス部で陽に焼けた顔が、今日は血の気が引いた土気色。とても生きている人間の顔色ではない。「・・夕べから、吐き続けて、もう吐いても何もでてきません。・・頭は、ズキンズキン痛むけど、薬飲んでも吐くし。・・先生、もう、頭取ってしまいたいです・・・」息も絶え絶えな様子を前にして、私は言おうと思っていた言葉を思わず飲み込んだ。『・・そ・そっかー。それはしんどいね。』 片頭痛は起きる条件がある程度決まっている。 教科書的には、“睡眠不足・寝過ぎ・過労・ストレス・人ごみ・気圧の変動・ある種の食物、臭いetc”などで起きるといわれている。 一方、漢方では片頭痛は体の水はけの悪い“水毒(すいどく)”という状態のひとつだ。この水毒は、気圧や温度の変動に敏感に関係している。人によって、低気圧が近づいたり、または、遠ざかったり、どこの海域にくると痛むとか、さまざまだ。 だから、片頭痛の日があるのだ。 私の診察室のカレンダーには、天気が大きく変化する時を記載してある。しかし、その日に誰もが片頭痛になるわけではない。片頭痛になる要素をもっている人がなるのだ。 どんな人が要素をもっているのか? 漢方的には、片頭痛のこの水毒は、冷えと密接に関係する。この場合の冷えは、手足の冷えとは限らない。体の芯の冷えである。しかし、体の芯が冷えていても、手足に冷えの自覚がなくて、どんどん冷やしている人が多いのだ。M子ちゃんも、美脚自慢で、ミニスカートやホットパンツが多く、足を触るとビックリするほど冷たいことがある。せめて、生理前は長いパンツで、といくら言ってもどこふく風。 しかし、起きることが予想できるからこそ、片頭痛は予防できるのだ。 『M子ちゃん、習ったと思うけど、頭痛薬を飲み過ぎると、かえって薬のために片頭痛になるから、極力飲まないで。』「ええ、わかっているんですけど、今実習があってどうしても休めないんです。」『・・そうだよね〜。なりたくて病気になる人なんていないよね。しょうがなくてなるんだよね。』こうなるともう、点滴やら薬やら、とにかく痛みをとらなくちゃ。 でも、ものすごい敗北感。ものすごく悔しい!(どうしてもっと予防しなかったの!)私は、またまた言いたい言葉を飲み込んだ。 『M子ちゃん、今日は鎮痛剤だすけど、元気になったら、そろそろ冷えと水毒の治療しない?こんな事続けていると、薬で一時的に痛みはとれても、たくさんの水毒症状が合併してきて、将来大変なことになるよ。』と、何度も言い続けた事を言った。(・・どうせ、うざいと思われるだろうな。) それから半年ほどして、久しぶりにM子ちゃんがやってきた。今日はいつもの元気な顔だ。「先生、この前漢方の授業があったんです。私、漢方薬で体質改善したいです。」『そう!やっとその気になったのね。』私は妙にウキウキしながら処方箋を書いた。「ええ。だって体験のレポート提出があるんで。」(・・そうか。私がどんだけ言っても、だめだったのに、試験のかかった先生の一言で、その気になるのか〜。)とちょっと嫉妬を感じながら、(まっ、いっかー。) ![]()
by meguro-kanpo
| 2014-11-04 20:43
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