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2014年 06月 07日
その住所には見覚えがあった。
果たして、名前を呼ばれて入ってきた女性は、25歳。流行のファッションを身につけているけど、桃色のチークを入れたようなホッペは昔のまま。『もしかしてTちゃん?』「・・・ええ。」ひと呼吸置いて、ちょっとはずかしそうに答える様子も変わらない。「・・・仕事するようになってから、生理が不順になっちゃって。」 Tちゃんは、中学2年から5年間、クリニックに通っていた。朝になるとお腹が痛くなって、そのためしょっちゅう学校を休みがちだというのだ。初診のときは、お母さんとおばあちゃんが、もしや、心の病気じゃないか、いじめられているんじゃないかと、深刻な顔で付いてきたのが、つい昨日のように思い出される。 『どこが痛むの?』「・・・んー・・ここら辺。」『どんなふうに痛むの?』「・・・グギッと。」『ウンチの前?後?』「・・・」 朝にお腹が痛くなるというのは、大人でも子供でも、結構多い症状だが、子供の場合は、適当に対処する術がないから、大人より深刻だ。整腸剤などを飲んではみても、いっこうに変わらない。勿論多感な時期で、奥に心の問題がないかは見極めなければならない。そのため、口の重い子供達と何とかコミニュケーションをとろうと、自宅付近の名所旧跡など、ネタ探しに苦労する。だから、Tちゃんの住所も覚えていたのだ。 朝、お腹が痛むのは、もちろん、ストレスが関わっていることは多い。しかし、生まれながらの体質で胃腸が弱いというところが大元にある。胃腸が丈夫なら、ここに症状がでることはそうそうないのだ。漢方では、胃腸を丈夫にすることは、健康の1丁目1番地である。昔は胃腸が弱いことが、子供の生死を分ける時代だったから、それは、当然だ。 胃腸を丈夫にする!といっても、そんなに簡単ではない。漢方では、こういう場合、芍薬が強い見方となる。きれいな大輪の花を咲かせている芍薬だ。芍薬には、血行を良くしたり、腸管の痙攣を和らげたり、痛みを取る作用がある。虚弱な子供達を丈夫にするため、漢方薬デビューとして、芍薬を使ったものをじっくりと飲ませると、その後の体質を変えてくれるのだ。丈夫な胃腸なら、便通も整い、その結果、善玉菌が増え、腸内細菌のバランスも良くなっていくのは当然だ。腸の働きは、最近いろいろな研究で、免疫など、体のとても重要な部分を担っていることがわかった。 何でもかんでも『・・活』を付ければいいってもんじゃないけど、まさに『腸活のススメ』である。 Tちゃん、何とか腹痛を乗り越え、無事大学へ入学した。その後ぷっつり来なくなっていたが、生理が不順になって、久しぶりに思い出してくれたみたい。 脈を見ようと、手をとると、左手の薬指にプラチナのリングが光っている。 (・・そうかそうか、次は妊活ってわけね。) ![]()
by meguro-kanpo
| 2014-06-07 15:05
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