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2013年 09月 09日
久しぶりに来院したY男さん、70才。小刻みに唇が震えている。確か、息子さんと同居するので郊外に引っ越すと、言っていたのが年末だった。
「先生、また冷え症が悪化しちゃって。」 Y男さんが、クリニックに通いはじめたのは、10年前。営業畑で大忙しだったさ中、初めて不調を自覚したのは、60才の退職目前の頃。接待ゴルフに出かけるため、日曜の早朝首都高を飛ばしていた時の事だった。その朝下痢をしたため、何となくイヤな予感がしたというが、お客さんを待たせるわけにもいかず、焦って運転していたところ、足が寒いと感じたとたん、突然動悸が激しくなって、パニック発作を起こしてしまったのだ。幸いにも、パーキングエリアが近かったため、大事に至らなかったが、それ以来、運転はできないという。 その後Y男さんは、第二の職場で、無理ない程度の仕事を始めた。漢方薬もずっと飲み続けていて、かなり冷え症も改善した。ここ数年は、年に2~3度顔を見せる程度で、パニックを起こすこともなかった。 「いやー、家が違うと、温度のコントロールがこんなに難しいとは思わなかったですよ。」元気なお孫さん達の適温は、Y男さんには、辛かったそうだ。その上、仕事も続けていて、週3日とはいえ、今まで徒歩だったのが、往復3時間の、冷房の電車通勤は、相当骨身に凍みたという。とうとう、先日から又パニックが起きるようになり、駆け込んで来たという訳だ。 夏の終わり頃になると、暑さにも、冷房の寒さにも耐えきれなくなって、さまざまな不調を起こす人は多い。めまいになったり、冷えになったり、下痢になったり、パニックになったり・・・不調が凝縮される時期といっても過言ではない。 漢方は昔の“五行論(ごぎょうろん)”という理論が元になっていて、何でも五つに分類する。五感とか五臓とか今でも使われている。だから季節も五つに分類する。五番目はいつかというと、夏と秋の間の、夏の終わり頃。まさに“今でしょ!”なのだ。この五番目の季節を長夏(ちょうか)という。 (*24節季では、夏と秋の境目は、7月下旬の秋の土用の頃だが、今頃のほうが実際的だと思う) 昔の人達が、夏の終わり頃に、あえて一つ季節を加えたのには、やはり、この時期は昔から不調が多かったに違いない。恐るべし、長夏だ。 さて、Y男さん、治ったと思っていた、冷えやパニックが再発して、すっかり自信をなくしてしまった。「機械なら、部品交換すればそれでいいけど、生身の人間ですから。冷やしすぎれば、冷えが悪化するのは当然ですよ。大丈夫。また、漢方薬しっかり飲みましょうね。」と言うと、Y男さん、ちょっと安心した顔になって、せっかく来たから、今日は針治療も受けたいと言う。 全身に針を刺した状態で、少し横になってもらうのだが、その間30分。気持ち良さそうな、大きないびきがクリニック中に響きわたって、スタッフ全員を慌てさせたのは、言うまでもない。 ![]()
by meguro-kanpo
| 2013-09-09 19:28
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