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2013年 05月 18日
みどりの黒髪・・そんな言葉がぴったりのロングヘアのUさん、31歳。彼氏に付き添われて泣きそうな顔で入ってきた。「私、円形脱毛症なんです。3年前に気づいて、何件か皮膚科にも行っているんですが、今朝また新しいのを見つけて・・。」
確かに髪をかき上げると、後頭部から耳の後ろにかけて、大小3カ所の脱毛部があってすだれ状につながっている。「こうなったのは、初めてですか?」「いいえ。小学5年の時にもなって、その時は、頭の毛も眉毛も全部抜けました。3年間くらい治療して、治ったのですが、またできちゃって・・。」 「何か他に症状はありますか?」「頭の皮がヒリヒリと痛がゆくて、風や日光に当たるだけでもジリジリします。ひどい時は、脳が頭皮にこびり付いているような感じで、そのうち、全身の皮膚がジリジリとしびれてきて、のたうち回ります。安定剤ももらっているんですが、夜は何度もハッと目が覚めます。そのたびに、また髪が抜けてないかと、枕を確認します。もう、眠るのが恐いんです!」 聞けば、Uさんは、3年前に転職をした。今の職場は特に不満はないけれど、かなり自分を押さえているのは自覚していると言う。 円形脱毛症は、自己免疫疾患という種類の病気で、これは、自分で自分の正常な細胞を攻撃してしまう厄介な病気だ。つまり、自分が加害者でもあり被害者にもなる。ストレスやアレルギー、ウィルス感染などが悪化要因になるが、元々の原因は自分の中にあるから、再発を繰り返す事も多い。この自己免疫疾患には、関節リウマチや膠原病、潰瘍性大腸炎など多くのものが含まれる。また、円形脱毛症は、8割が50歳以下に発症する。多感な時代を直撃するので、心の傷も深くなる。 漢方では、この複雑で厄介な円形脱毛症に、竜骨(りゅうこつ)という生薬の含まれた薬をよく使う。竜骨は、“古代大型哺乳動物の骨の化石(主に牛や馬など)”で、鎮静効果がとても強い。 ウーン。現代なら、さしずめカルシウム剤を使うかもしれないが、漢方薬の中でも、多々あるカルシウムを含んだ生薬の中から、“古代大型哺乳動物の骨の化石”を使うところが、何だか、ザ・漢方って感じだ。 Uさんは、漢方と鍼治療を併用した。週一回の鍼治療の間中は、まるで泣きに来たかのように泣き続けた。3ヶ月・・4ヶ月・・Uさんの涙が出なくなったころ、やっと新しい髪が生え始めた。みどりの黒髪を颯爽と風になびかせる日は、もう近い。 ![]()
by meguro-kanpo
| 2013-05-18 14:00
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