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2013年 04月 05日
患者さんが引けて、受付も終わり間近となった夕暮れ、一人の女性がやってきた。受付け前のイスに座っているのがチラリと見えた。(・・ああ、末期がんの患者さんが、漢方治療を希望していらしたんだな。)とっさにそう思った。それくらい、うつむいたその顔は、どす黒く土気色で全く生気がなかった。
ところが、診察室に入ると、そのFさん、「特に具合の悪いところはありません。足をくじいて薬局に湿布を買いに行ったら、顔色悪いから診てもらえって言われたので。」と言う。 採血をした所、なんとヘモグロビンという数値が2! (正常は11〜13) 信じられないような貧血である。大至急、輸血や鉄の補給をしなければ、命にも関わる値である。ところが、Fさん、若い頃にも貧血と言われたが、胃腸が弱くて、飲み薬も注射も受け付けず、放置していたというのだ。しかも、巨大な子宮筋腫があって、毎月生理で大量に出血するのが貧血の原因だった。それでも、きつい治療は希望せず、手術もせずに閉経を待ちたいというので、漢方薬と注射で、1年ほどかけて数値はやっと正常になった。「Fさん、もう、貧血は治りましたよ。今日で治療は終わりです。では、お大事に。」これで、Fさんがクリニックに来ることは当分ないだろうと思った。 ところが、2週間後、Fさんは、恥ずかしそうな顔でまたやって来た。「アレーッどうしたんですか?」「風邪引いちゃいました。喉が痛くて、熱がでて、お腹がゆるくなって痛みます。」薬をだした。ところが、また2週間くらいすると、風邪を引いて同じ症状でやって来る。その後、2週間ごと風邪を繰り返し、それはなんと1年間も続いた。貧血は治って、もう何も問題がないはずなのに、何でこんなに免疫力が弱るのか??? 漢方では、貧血は、『血虚(けっきょ)』という状態である。血虚は血が足りないだけでなく、赤血球ひとつひとつの働きが弱っている状態である。働きが弱ると、水分代謝もうまくいかなくなる。このことを漢方では『水毒(すいどく)』といい、免疫力低下はこの水毒症状にあたる。鉄の補給で、治るのは、ヘモグロビンの数値だが、それに付随するたくさんの不調は、すぐ治る訳ではない。漢方的には、貧血の本当の治療は、数値が正常化してからといってもいいくらいだ。 Fさん、その後も、漢方治療を続けている。もちろん、お腹を丈夫にして、免疫力をあげる漢方である。「先生、私、テニス始めたんですよ。若い人達に混じってラリーするので、もうヘロヘロです!」Fさんの眩しい顔を見ていると、あんな土気色の顔色だったなんて想像もできないくらい・・・もう笑い話ですね〜。 ![]()
by meguro-kanpo
| 2013-04-05 16:37
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